年明け座談会
ニーナ「新年だね〜」
サーラ「『蒼き惑星(ラズライト)』でいうところの『光の月1日』だね〜」
ニーナ「サーラさん、内輪でしかわからないネタはやめようよ。きっと見ている人たちはついてこれてないと思うよ?」
ファル「……なんか、今回の座談会はえらく平穏だな……」
ニーナ「平和な座談会じゃないと出ないって言ったの、ファルカス君じゃん」
ファル「いや、でもいざこうも平穏な座談会を開かれると、なんか、落ち着かないというか……」
サーラ「まあ、確かにファルはいままで叫び通しだったもんね。でも今回は座談会元旦バージョンだから」
ニーナ「そう。第三次聖魔大戦でも起こしてみたいところだけど、ボクもその衝動をジッと我慢してるんだよ」
ファル「起こすなよ! そんなもん!」
ニーナ「どう? 少しは落ち着いた?」
ファル「え? ……あ、そういえば、なんだか違和感がなくなったかも……」
サーラ「すっかりツッコミ体質になっちゃったねぇ、ファル……」
ファル「おい、サーラ! その哀れむような目はなんだ!」
サーラ「ファル、出会ったばかりの頃はこうじゃ――」
ファル「出会ったばかりのころからこうだったよ!」
ニーナ「ところで二人とも、紅白見た?」
ファル「いきなりなんてメタなネタを振るんだ……、コイツは……」
サーラ「見た見た〜」
ファル「なんですと!?」
ニーナ「まあ、ファルカス君は見てないだろうね。ボクたちの中で唯一地球に来てないから」
ファル「なんか、すごい疎外感……」
サーラ「まあまあ、ファル。別に特別面白くはなかったから、紅白。鈴音ちゃん曰く、『マンネリ気味』だったそうだよ? だからそんなに落ち込まなくても……」
ファル「なんだろう。今日ばかりはオレとお前の間にぶ厚い壁がある気がするぞ、オレのパートナーであるはずのサーラよ」
ニーナ「ファルカス君、サラッと言ったサーラさんの毒のある紅白への評価に対するツッコミはなし?」
ファル「だってオレ、紅白見てないもん。『特別面白くはなかった』なんて、しょせんサーラの主観にしかすぎないもん……」
サーラ「あ、ファルがいじけちゃった……」
ニーナ「さりげなくNHKに対するフォローまでしてみせたね。紅白見てないハズなのに……」
ファル「ふん。いいさいいさ。テレビなんて見てなくても幸せな人生は歩めるさ。むしろテレビなんて、目の毒になるだけさ。青少年は見ちゃいけないような映像が夜10時台だというのに流れたりなんかして」
サーラ「ファル、本当は紅白見てたんじゃ……」
ファル「カウントダウンライブよりも行く年来る年さ」
ニーナ「人のことを言えないくらいメタなこと言ってるね、ファルカス君……」
ファル「煩悩をかき消すために、空に向かって<黒魔波動撃(ダーク・ブラスター)>を108発ほど放つのさ……」
ニーナ「魔法力が保たないよ!」
ファル「魔法力回復薬を混ぜたそばを瀕死の状態で食べるのさ……」
ニーナ「命がけの年越しそば!」
ファル「もっとも、魔法力回復薬は割と値が張るから、ここまでハメを外せるのは年に一回しかないわけだけど」
ニーナ「外しすぎだよ! 年に一度でも外しすぎだよ!」
ファル「そんな正月を、オレは送ってみたい」
ニーナ「ボクは送ってみたくないよ! というかなに!? なにその『雨にも負けず、風にも負けず』みたいな感じのラスト」
ファル「なんだ? その『雨にも負けず、風にも負けず』って?」
ニーナ「……ねえ、ファルカス君、わかっててやってるの?」
ファル「なにを?」
ニーナ「わかっててボケてるんでしょ!?」
ファル「ボケ? なに言ってるんだよ、ニーナ。オレはツッコミ体質だって、さっきサーラが言ってたじゃないか」
ニーナ「くうっ……。今年のファルカス君は一味違うよ……。いつの間にか振り回されてるボクがいる……」
サーラ「え〜と……、二人の戦いに一応の決着がついたみたいだから、そろそろ私が締めておくね? ファル」
ファル「おう。オレが逆転される前に締めとけ締めとけ」
サーラ「じゃあ……、こほん。皆さん、去年は私たちの物語を読んでくださり、ありがとうございました。今年も頑張りますので、どうかこの先もお付き合いください。――あ、小説や絵を送ってくれると、私としてもとても嬉しいです」
ニーナ「ボクのイラスト、可愛く描いてね〜」
ファル「いきなり割り込んでアピールするなよ……」
サーラ「それでは皆さん、今年もよろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げるサーラ。その後ろでニーネが、
「よし、隠し芸大会やろう! 隠し芸大会! 一番ニーナ・ナイトメア! <最後の審判(ワイズ・カタストロフ)>(完全版)を使います!」
ファル「わー! やめろー!!」
――――ファルの叫びを無視して幕は下りる――――
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